ローグは、UNIX†タイムシェアリングシステムで動作する、ビジュアルファンタジーゲームである。いかにローグをプレイするかを記述する事で、運命の洞窟で迷ってしまうかもしれない者達へ、いくつかのヒントを与えよう。
君は、地元の戦士ギルドを卒業したところだ。多くの汗と訓練の後、危険な冒険に出る事ができるようになった。君のスキルを試すテストとして、地元のギルドマスターは君を運命の洞窟へと送り込んだ。君の仕事は、イェンダーの魔除けを持って生きて帰ってくる事だ。この仕事をやり遂げた暁には、地元ギルドの完全な会員資格を得るだろう。加えて、洞窟から持ち帰った盗品を全て自分の物にする事さえできるのだ。
君は旅立ちに備えて、魔法をかけた棍棒、弓、そして遙か遠くの暗い山に棲むドラゴンの秘蔵から取れる矢の束が与えられる。更に、エルフの鎧と、洞窟にたどり着くために充分な食料を用意される。君は家族や友人達に最後の別れを言い、道を進める。
君は洞窟へと旅を続け、数日の後に運命の洞窟の入り口と書かれた古ぼけた廃墟を見つける。夜も遅いので、君は入り口でキャンプを張り、大空の元で眠りに落ちる。朝には君は武器や防具、最後に残った食料をまとめて、洞窟へと入っていく。
君はローグのゲームを始めたところだ。君の目的は、持てる限りの宝物を携え、イェンダーの魔除けを見つけ、運命の洞窟から生還する事だ。画面には、君がどこにいるかを示すマップと、今いる洞窟の階で何を見つけたかが常に表示されている。その階の探検が進んだ分だけ、君の前のスクリーンに現れてくる。
ローグはスクリーンを重視するという意味で、多くのコンピュータファンタジーゲームとは異なっている。コマンドは全て1つないしは2つのキーストローク1で、そのコマンドの結果は言葉2で説明するよりもむしろ、スクリーンで視覚的に表示される。
ローグと他のコンピュータファンタジーゲームとで、大きな違いがまだまだある。標準的なファンタジーゲームが、いったん全ての謎を解いてしまうと面白さが失われ楽しめなくなってしまうのに対し、ローグはプレイする度に新しい洞窟が生成され、ローグの作者さえも面白くてエキサイティングなゲームだと感じるだろう。
ローグで何が起こっているかを理解するためには、君は最初にスクリーン上でローグが何をしているかを掴む必要がある。ローグのスクリーンは、標準的なファンタジーゲームの「君は~を見つけた」と言う記述に取って代わる物である。図1はローグのスクリーンのサンプルである。
____________________________________________________________ ------------ |..........+ |..@....]..| |....B.....| |..........| -----+------ Level: 1 Gold: 0 Hp: 12(12) Str: 16(16) Arm: 4 Exp: 1/0 図1 ____________________________________________________________ |
スクリーンの最下行は、君の現在の状態を示す謎めいた情報を示している。ここにその情報が意味する物を説明しておく:
Level |
この数値は、君が洞窟の地下何階まで下りていったかを示す。1階から始まって、洞窟の奥深くに潜っていく。 |
Gold |
君が見つけだして持ち運んでいる金塊の数。 |
Hp |
君の健康(Health)ポイントの現在値と最大値。健康ポイントは死ぬまでにどれだけのダメージに耐えられるかを示す。君が戦いの中で傷つけば傷つくほど、この数値は下がっていく。休憩する事で、健康ポイントは回復する事ができる。括弧内の数値は、君の健康ポイントが到達できる最大値である。 |
Str |
君の現在の強さと、強さの過去の最大値。これは3以上31以下の数値を取り得る。大きい数値は、君が強い事を示す。括弧内の数値は、これまでこのゲームで達成した強さの最大値である。 |
Arm |
君の現在の鎧の防御力。この数値は、君の鎧が敵からの攻撃をどのくらい効果があるのかを示している。数値が大きければ、鎧の効果が高い。 |
Exp |
この2つの数値は、君の現在の経験レベルと経験値を示している。経験を積む事で、君は経験値を増やしていく。経験値がある一定の値になると、経験レベルが上がる。経験を積めば積むほど、君はうまく戦い不思議な攻撃にも立ち向かっていけるようになっていく。 |
スクリーンの最上行は、視覚的に表せない事を、メッセージとして表示するために予約されている。もし最上行に「--More--」が出ていたら、これはローグが、別のメッセージをスクリーンに表示したいのだが最初にそこに出ているメッセージを君がもう読んだかどうかを確認したい、と言う事を示している。次のメッセージを読むには、スペースキーを押しさえすれば良い。
スクリーンの残りの部分は、君がこれまで探検してきた階の地図である。スクリーン上の個々のシンボルは、何かを表している。ここに種々のシンボルが何を示すかのリストを掲げる:
@ |
Rogue. このシンボルは君、冒険者を示している。 |
- | |
Wall. これらは部屋の壁を示している。 |
+ |
Door. 部屋から/へのドア。 |
. |
The floor of a room. |
# |
Floor. 部屋の床。 |
* |
Gold. 金塊の山、壺。 |
) |
Weapon. ある種の武器。 |
] |
Armor. 1つの鎧。 |
! |
Potion. 魔法の薬の入ったフラスコ。 |
? |
Scroll. 1枚の紙切れ。たいていは魔法の巻物。 |
= |
Ring. 魔法の指輪。 |
/ |
Staff, Wand. 魔法の棒、杖。 |
^ |
Trap. 罠、これには気を付ける事。 |
% |
Staircase. 他の階への階段。 |
: |
Food. 食料。 |
A-Z |
Monster. 大文字は、運命の洞窟に住む様々な住民を表す。奴らは厄介で凶暴だ。気を付けろ。 |
ローグへのコマンドは、1つないしは2つの文字をタイプする事で行える。大抵のコマンドは繰り返しのカウントに続ける事ができる(「10s」とタイプすると、10回S(Search、探す)を行う)。カウントが意味をなさないコマンドは、カウントが無視される。カウントや接頭辞をキャンセルするには、[Esc]をタイプすればよい。コマンドのリストはかなり長いものだが、ゲーム中に「?」コマンドでいつでも読む事ができるようになっている。それぞれのコマンドを、簡単な説明をつけて掲げておくので、参照して欲しい。
? |
ヘルプコマンド。どの文字についてのヘルプが必要なのかを聞いてくる。「*」をタイプすると総てのコマンドについてのリストを表示する。それ以外の文字であれば、タイプした文字についての説明を表示する。 |
/ |
これは「スクリーン上のこれは何だ」コマンドである。「/」に続けて画面上見る事のできる任意の文字をタイプすれば、それが何なのかを表示する。例えば、「/@」とタイプすれば、シンボル「@」が君、すなわちプレイヤーである事を表示する。 |
h, H, ^H(「^」は[Ctrl]を押しながら、の意) |
|
左へ移動。君は、1文字分左へ移動する。もし君が大文字の「H」を使うなら、何かにぶつかるまで進み続けることになる。この仕組みは総ての移動コマンドに当てはまる(「L」は「l」方向に走る事を意味する)。もし[Ctrl]「h」とするなら、何か興味深いものの側に来るか、壁にぶち当たるまで、指定の方向に移動し続けるだろう。これは非常に有用なコマンドであるが、説明も非常に難しいものであるので、君は実際にやってみるべきである。これも総ての移動コマンドで同じように当てはまる。 |
|
j |
下へ移動。 |
k |
上へ移動。 |
l |
右へ移動。 |
y |
斜め左上へ移動。 |
u |
斜め右上へ移動。 |
b |
斜め左下へ移動。 |
n |
斜め右下へ移動。 |
t |
throw something. ものを投げる。これは接頭辞命令だ。続けてものを投げる方向をタイプすると、指定の方向に投げられる(「th」とタイプすると、何かを左へ投げる)。 |
f |
fight till death or near death. どちらかが死ぬまで戦う。続けて方向をタイプすると、君かその方向にいる生き物かのどちらかが相手を殺るまで、強制的に戦わせる。 |
m |
move onto without picking up. 何かの上に乗って、それを拾わない。これは指定した方向に1文字分移動するが、拾えるものが何かあったとしても、拾わずに移動すると言う意味である。 |
z |
zap a wand in a direction. 攻撃の接頭辞。魔法の棒や杖を指定方向に向け、一撃をお見舞いする。無指向性の棒もあるが、それでも方向の指定は必要である。 |
^ |
identify trap type. 罠を確認するコマンド。マップ上に罠があり、それがどんな種類の罠だったかを思い出せない場合に、ローグを罠の隣に移動させてから「^」に続けて罠の方向をタイプする事で、思い出させる事ができる。 |
s |
search for trap/secret door. 罠や秘密のドアを探す。罠や秘密のドアを探すために、即座に隣接した総ての場所を調べる。たとえ何かがそこにあったとしても君がそれを見つけ出せる確率は非常に低く、見つけ出すまでに何回も捜索を繰り返さねばならないであろう。 |
> |
go down a staircase. 次の階への階段を下りる。当たり前の事ではあるが、階段の所に立っている時しか下りる事はできない。 |
< |
go up a staircase. 次の階への階段を上る。イェンダーの魔除けを所有していない者は、上る事ができない。 |
. |
rest for a turn. 休憩。これは「何もしない」コマンドである。待つことと回復するために使える。 |
, |
pick something up. 何かを拾う。現在、少しでも何かの上に立っているならば、何でも拾い上げる。 |
i |
inventory. 持ち物のリスト。荷物の中に入れて運んでいる者総てのリストを表示する。 |
I |
inventory single item. 選択的持ち物リスト。荷物の中のいずれか1つについて表示する。 |
q |
quaff potion. 荷物に入れている魔法の水薬の1つを飲む。 |
r |
read scroll. 荷物に入れている巻物の1つを読む。 |
e |
eat food. 荷物に入っている食料を食べる。 |
w |
wield a weapon. 武器を装備する。荷物から武器を取り出して戦えるように装備する(もし既に武器を装備していたなら、それと取り替える)。 |
W |
wear armor. 鎧を着る。一度に1つの鎧を着る事ができるだけである。これには時間がかかる。 |
T |
take armor off. 鎧を脱ぐ。鎧が呪われている場合、脱ぐ事ができなくなる。脱ぐ際も時間がかかる。 |
P |
put on ring. 指輪をする。一度に2つの指輪をする事ができるだけである(片方の腕に1つずつ)。もし君が1つも指輪をしていない場合、このコマンドはどちらの手に指輪をするのか聞いてくる。さもなければ、プログラムは君が右手に武器を持っているものと仮定して、使っていない左手にする事になる。 |
R |
remove ring. 指輪を外す。1つしか指輪をしていないなら、このコマンドはそれを外すだけだ。もし2つの指輪をしているなら、どちらを外したいのか聞いてくるだろう。 |
d |
drop object. 物を落とす。荷物から何かを取り出し、それを床に置く。1カ所には1つの物しか置く事はできない。君が装備したり着ていたりする呪われた物は、落とす事ができない。 |
c |
call object. 物に名前を付ける。荷物の中である種のそれが何であるのか覚えておきたい物があるのなら、このコマンドで名前を付けてやる事ができる。通常、魔法の水薬や巻物、指輪が何であるのかが分かったとき、あるいは装備していた武器がどれであったか覚えておきたいときなどに使われる。 |
D |
recall what's been discovered. 既に発見した物を表示する。このコマンドは、どのタイプの物に興味があるのかを尋ねてくる。その種の物を示す文字をタイプ(水薬なら「!」など)すると、既に発見した(既に何であるのかが分かっている) その種の物が何であるのかを表示する。このコマンドは魔法の水薬や巻物、指輪、棒、そして杖に対して表示する。 |
o |
examine/set options. オプションの設定を表示したり再設定する。このコマンドはオプションに関する別のセクションで詳しく説明する。 |
^R |
redraw screen. スクリーンを再表示する。何らかの理由で画面表示が変になった場合に役立つ。 |
^P |
repeat last message. 最後に表示したメッセージを再表示する。読む前にメッセージが消えてしまった(消してしまった) 場合に役立つ。単に最後のメッセージを表示し直すだけであり、ミスタイプして失った何かを取り返せるという物ではない。 |
[Esc] |
|
cancel command. コマンドや接頭辞、カウントをキャンセルする。 | |
! |
shell escape. コマンドプロンプトに抜ける。「exit」とタイプすれば、ローグに復帰する。 |
Q |
quit. 終了。ゲームをセーブしない。 |
S |
save game. 現在のゲームをファイルに保存する。デフォルトのファイル名で保存して良いか聞いてくる。警告ローグはセーブしたゲームをコピーさせない。セーブされたゲームを始めると同時にローグはセーブされたファイルを消してしまう。これは、危険な状況下で保存しておき、死んでしまったら何度もやり直すという事を避けるためだ。セーブされたゲームを始めるには、そのファイル名をローグに引数として与える必要がある。例えば、次のように。 % rogue save_file デフォルトのファイル名でセーブした場合は、次のようにすればよい。 % rogue -r |
v |
print version number. プログラムのバージョンナンバーを表示する。 |
) |
print current weapon. 君が現在装備している武器を表示する。 |
] |
print current armor. 君が現在着ている鎧を表示する。 |
= |
print current rings. 君が現在している指輪を表示する。 |
@ |
print current stats. 現在の状況を最上行に再表示する。 |
洞窟にある部屋には、明るい部屋と暗い部屋とがある。明るい部屋に入ったなら、入ると同時に部屋の総てがスクリーンに表示される。暗い部屋では、君が探検した部分だけが表示される。部屋から出ると同時に、総ての怪物はスクリーンからは消え失せる。暗闇では、君は自分の周りの1文字分の場所しか見る事はできない。通路は常に暗い状態である。
怪物に出会って、戦おうと思うなら、そいつにぶつかっていくだけで良い。君が攻撃を仕掛けない限り、寝ていたり何もしてこない怪物は結構いるものだ。君子危うきに近寄らずとはよく言ったものだ。
洞窟で何か見つけたら、拾いたくなるものだ。ローグでは、その物の上を歩くだけで拾う事ができる(君が接頭辞「m」を使っていない限りは)。物を持ちすぎている場合、拾えない事を表示し、実際に拾わない。そうでない場合は、拾った事を表示し、荷物に加えるであろう。
物を操作する多くのコマンドは、どれを使いたいのかと言うプロンプトを出す。気が変わって、結局そのコマンドを使いたくないのであれば、[Esc]キーをタイプすればコマンドが中止される。
鎧や武器は簡単に区別が付く。しかし、魔法の巻物や水薬は、種類によって異なる訳の分からないラベルが貼ってあるだけだ。ゲーム中、同じラベルの物を見つけたら、それは同じ物である。しかしながら、ゲームを再度やり始めると、ラベルは変わってしまって何か分からなくなる。
君がラベルの付いたものを使い、その効果が明らかな場合、ローグは君のためにそれが何であるかを覚えていてくれる。はっきりした効果が無い場合には、後で君が分かるように何かメモをしておくかどうか問われる事になる。「C」コマンド(上記参照)で名前を付けてやる事もできる。
ある種の矢のような武器は束になっているが、大抵の武器は1つずつ落ちている。武器を使うためには、君はまず装備する必要がある。弓から矢を放つには、君はまず弓を装備した上で矢を射なければならない。君は一度に1つの武器しか装備する事はできないし、もし装備した武器が呪われていたりするとそれを取り替える事ができなくなる。武器を使うコマンドには、「w」(wield a weapon/装備)と「t」(throw something/射る、投げる)がある。
洞窟には様々な種類の鎧が横たわっている。ある物は魔法で祝福されており、ある物は呪われ、またある物は特にどちらでもない普通の状態である。鎧の種類が異なれば、鎧の防御能力も変わるものだ。鎧の防御能力が高いほど、怪物からの打撃に対してより守れるようになる。ここに様々な鎧の種類と、それらの通常の防御能力のリストがある:
種類 | 保護能力 |
---|---|
None (無し) | 0 |
Leather armor (革の鎧) | 2 |
Studded leather / Ring mail (鋲付きの革の鎧 / 環状鎖帷子) |
3 |
Scale mail (鱗状鎖帷子) | 4 |
Chain mail (鎖帷子) | 5 |
Banded mail / Splint mail (帯状鎖帷子 / 重ね札鎖帷子) |
6 |
Plate mail (鋼鉄の鎧) | 7 |
鎧が魔法で祝福されている場合、その鎧の防御能力は通常よりも高くなる。鎧が呪われている場合、防御能力は下がり、しかも君はそれを脱ぐ事ができなくなる。しかしながら、通常より防御能力の低い鎧の総てが呪われているという訳ではない。
鎧を使うコマンドには、「W」(wear armor/着る)と「T」(take armor off/脱ぐ)がある。
巻物には訳の分からない言葉3のタイトルが書かれている。いったん巻物を読んでしまうと、きみの荷物から消滅してしまう。巻物を使うコマンドには、「r」(read scroll/読む)がある。
水薬はフラスコに入っていて、液体の色を書いたラベルが張ってある。これも飲むと消滅してしまう。水薬を使うコマンドには、「q」(quaff potion/飲む)がある。
棒や杖にはいくつかの種類がある。棒は木の種類で、杖は金属か骨の種類で区別できる。通常、遠く離れた物に対して作用させるので、君は効果を与えたい物に向けて使わなければならない。しかしながら、いくつかの棒は示した方向には無関係に作用するのだが。棒にはいくらかの魔法の弾が込められており、その数はランダムである。魔法を使い切ると、杖は単なる木や金属になってしまう。
棒や杖を使うコマンドには、「z」(zap a wand in a direction/攻撃の一振り)がある。
指輪は、水薬や巻物、棒などの一時的な効果とは異なり、永久的な魔法の効果をもたらす、非常に有用なアイテムである。もちろん、悪影響をもたらす指輪も強力である。大抵の指輪は、しているだけでより速く空腹になる。その速さは指輪の種類による。指輪は、付いている石や宝石の種類で区別される。指輪を使うコマンドには、「P」(put on ring/する)と「R](remove ring/外す)がある。
食料は君が生きていく上で必要な物だ。もし余りに長く何も食べないでいると、君は気絶し、最後には餓死するだろう。食料を使うコマンドには、「e」(eat food/食べる)がある。
個人の様々な好みやローグのやり方の違いに合わせるために、様々な方法でローグを操るオプションを選ぶ事ができる。
オプションを設定するには2つの方法がある。1つめはローグをプレイ中に「o」コマンドを使う事、2つめは「ROGUEOPTS」環境変数を使う事である。
ローグをプレイ中、「o」をタイプすると、スクリーンが消え、総てのオプションについて現在の設定が表示される。カーソルが最初のオプションに移動し、君が何かタイプするのを待っている。[Enter]をタイプすると次の項目へ移動し、「-」は前の項目へ移動、[Esc]はゲームに戻る事を意味し、もちろんオプションの値を入力する事もできる。真か偽かの2値を取るオプションでは、単に真なら「t」、偽なら「f」をタイプするだけでよい。文字列が必要なオプションの場合、新しいデータを打ち込んでから[Enter]をタイプすればよい。
ROGUEOPTS変数は、種々のオプションの初期値のリストを、コンマ区切りで文字列にした物を含んでいる。真偽2値を持つ変数は、その名前でオン、前に「no」を付けた名前にするとオフになる。この様にして、jump(ジャンプ)をオンに、terse(簡潔)をオフ、name(名前)を「Blue Meanie」にするROGUEOPTS変数の設定には、コマンドを次のように使えばよい。
% setenv ROGUEOPTS "jump,noterse,name=Blue Meanie"4
ここに、オプションのリストと、それぞれが何であるかの説明を用意した。それぞれのデフォルトの値は、カギ括弧で括ってある。オプションの文字列は、50文字を超えると無視されてしまうので気をつける事。
terse [noterse] (簡潔)
ローグから時折出される長いメッセージに疲れてしまう者にとっては有用だろう。これは非常に遅いターミナルでプレイする際に有用なので、1200ボー以下の遅いターミナルではterse(簡潔)がデフォルトになる。
jump [nojump] (ジャンプ)
このオプションをセットすると、走る際、途中は表示せずにいきなり最終点に到達するようになる。これはCPUと表示の時間をかなり節約できる。遅いターミナルでプレイする場合にはjump(ジャンプ)がデフォルトになる。
flush [noflush] (フラッシュ)
総ての先行入力は、1ターンごとに捨てられる。遙か前にタイプしていたのが活きていて、それが故にBatなんかに殺されてしまうと言うような事をがっかりしながら見ているような者には、有用であろう。
seefloor [seefloor] (床を見る)
暗い部屋では君が移動する際、君の周囲の床を表示する。キャラクタをたくさん表示しなければならないので、遅いターミナルを使っている場合には、デフォルトでnoseefloor(床を見ない)になる。
passgo [nopassgo] (通り過ぎる)
通路の曲がり角で自動的に曲がる。君が通路を走っていて石や壁にぶつかったとき、ローグが左右に曲がれるかどうか確認するだろう。もし一方にしか曲がれないなら、そのように曲がる。もしどちらへも行ける、もしくはどちらへも行けない場合、立ち止まる。このアルゴリズムは、時々わずかではあるものの混乱の元になる。それが、nopassgoがデフォルトにしてある理由の1つである。
tombstone [tombstone] (墓石)
もし君が死んでしまったとき、最後に墓石を表示する。これは素晴らしいのだが、動作が遅いので、好みによっては表示しないようにもできる。
inven [overwrite] (持ち物のリスト)
持ち物リストのタイプ。これは次の3つの内、1つを選べる: overwrite(上書き)、slow(低速)、clear(クリア)。overwrite は、持ち物のリストコマンド「i」をタイプしたとき、もしくは「どのアイテムを表示しますか?」という問いに対して「*」で答えたときなど、マップの上の方の行を上書きして表示する。しかしながら、もしスクリーンの行数よりもリストが長い場合、スクリーンはクリアされてしまう。slowは、スクリーンの最上行だけを使って一度に1つのアイテムしか表示しない。そして、clearは、スクリーンをクリアした上でリストを表示し、洞窟の地図は後で再表示する。速度的な事を考えると、「行末まで消去」ができないターミナルのために、clearがデフォルトである。
name [account name] (名前)
これは君のキャラクタの名前だ。ベスト10に入った場合、この名前が使われる。
fruit [slime-mold] (フルーツ)
これには、君が食べるのが楽しみなフルーツの名前を入れるべきだ。ローグはfoodではなく時折これを見つけるが、それは基本的には単なる気まぐれである。
file [~/rogue.save] (ファイル名)
ゲームをセーブしておくためのファイル名のデフォルト。何かの事故で君の電話が切れてしまった場合(訳者注:電話モデムを使っている場合を想定してるようだ)、ローグは自動的にこのファイルにゲームをセーブしてくれる。ファイル名は、君のホームディレクトリ名に展開される特別なキャラクタである「~」で始める事もできる。
ローグは通常、君のマシンでトップスコアを出した者やそのスコアを保持している。設定方法によって、トップスコアとトッププレイヤーの両方を掲載する事もできる。後者の場合、そのマシンでの個々のアカウントに対してイェンダーの魔除けを取って戻って来ていないものだけをリストにする事もできる。いくつのスコアが保持できるのかは、君のマシンでインストールする者は誰でも、設定する事ができる。
君がゲームを途中で止めた場合、君の集めた金は無償のまま君の手元に残る。しかしながら、もし君が運命の洞窟で殺されてしまったなら、君の遺体は90%の金とともに近親者の元に届けられる。と言うのは、金の10%は洞窟の魔法使いへの謝礼5として手渡されるからだ。このことから、君は危機に瀕している際、最後の一撃を怪物にお見舞いして生き残る可能性を期待するか、そこでゲームを途中で止めて金の全てを手に入れるかのどちらかを選択しなければならない事になる。もし止めてしまえば全ての金を手に入れられるが、しかし戦って生き延びられれば更に多くの金を見つける事も可能だろう。
もし君が、現在のトッププレイヤー/トップゲームのリストを見たいだけなら、次のようにタイプすればよい。
% rogue54 −s
ローグは最初、Glenn WichmanとMichael Toyによって考案された。Ken ArnoldとMichael Toyはユーザインターフェースを取り払い、実にたくさんの新機能を加えた。アイデアを出したり援助をしてくれたBob Arnold、Michelle Busch、Andy Hatcher、Kipp Hickman、Mark Horton、Daniel Jensen、Bill Joy、Joe Kalash、Steve Maurer、Marty McNary、Jan MillerそしてScott Nelsonに感謝の意を表したい。また、有り難くもローグをプレイするために仕事も学校も社会生活さえも無視し、我々にバグや不満、提案、そして本当にプレーンな情熱を送りつけてきてくれた多くの者達へ感謝したい。そして、母にも。
† | UNIXはベル研究所の登録商標です。 |
1 | 疑似英文と対照的に。 |
2 | スクリーンサイズは、最小でも24行80桁必要である。もしこれよりもスクリーンが大きければ、24x80の部分だけがマップに使われる。 |
3 | 実際、それは外蒙古で、ある種族の27人だけで話される方言である。しかし、それを君が知っているとは思えない。 |
4 | ボーンシェルshを使う人は、この様なコマンドを使えばよいだろう。 $ ROGUEOPTS="jump,noterse,name=Blue Meanie" (訳者注) Windowsのコマンドプロンプトからは、次のようにすればよい。 set ROGUEOPTS=jump,noterse,name=Blue Meanie |
5 | 洞窟の魔法使いは、名前をウォリーと言う不思議なアナグマである。祈祷には多額の寄付を必要とする。 |